インプラントオーバーデンチャー

Overdenture

インプラントオーバーデンチャーとは?

インプラントオーバーデンチャーは、歯を失った部分にインプラント(人工歯根)を埋め込み、その上に取り外し可能な義歯(オーバーデンチャー)を固定する治療法です。従来の義歯は、歯茎に直接乗せて使用するため、安定性が低く、食事中や会話中に義歯が動いたり外れたりすることがしばしばあります。これに対して、インプラントオーバーデンチャーは、インプラントが顎の骨としっかりと結びつくことで、義歯が動かず、安定した状態で使用できるのが大きな特徴です。

この治療法は、インプラントを数本埋め込むことで、義歯がしっかりと固定され、従来の義歯と比較して非常に高い安定性と快適さを提供します。また、インプラントオーバーデンチャーは、義歯の着脱が可能なため、メンテナンスがしやすく、取り外して清掃を行うことができる点も大きな利点です。さらに、インプラントによる支えがあることで、顎の骨の退縮を防ぎ、口腔内の健康を維持することが可能になります。

Merit

インプラントオーバーデンチャーの特徴

インプラントオーバーデンチャーは、従来の義歯に比べて多くのメリットを提供します。以下にその主な特徴を詳しくご紹介します。

高い安定性と快適さ

インプラントオーバーデンチャーの最大の特徴は、その高い安定性です。人工歯根であるインプラントを顎の骨に埋め込むことで、義歯がしっかりと固定されます。これにより、義歯が動くことなく、食事や会話中も安定した状態で快適に使用できます。例えば、硬い食べ物や粘り気のある食事を食べる際にも安心して楽しむことができます。

見た目と自然な感触

インプラントオーバーデンチャーは、見た目にも自然で美しい仕上がりになります。インプラントが顎の骨に埋め込まれることで、義歯が安定して固定され、口元の美しさを保つことができます。また、従来の義歯にありがちな「入れ歯が浮いているような感じ」や「違和感」が軽減され、より自然な感触で使用できます。笑顔を見せる際にも、周囲からは義歯をしていることが分かりにくく、見た目に自信を持つことができます。

顎の骨の健康維持

インプラントオーバーデンチャーは、顎の骨の健康維持にも貢献します。通常、歯を失うと顎の骨は時間とともに退縮していきます。しかし、インプラントが顎の骨にしっかりと埋め込まれることで、骨の退縮を防ぐ役割を果たします。インプラントが骨と結びつくことで、顎の骨を刺激し、骨密度を維持することができるため、長期的に見て口腔内の健康を守ることができます。これにより、将来的に新たな治療が必要になるリスクも低くなります。

優れた咀嚼機能

インプラントオーバーデンチャーは、咀嚼機能の向上にも寄与します。インプラントがしっかりと顎の骨に固定されているため、義歯にかかる力をしっかりと支えることができ、噛む力が効率よく伝わります。これにより、食べ物をしっかりと噛むことができ、食事が楽しくなります。従来の入れ歯では難しかった硬いものや粘着性のある食べ物も、快適に食べることが可能になります。

簡単なメンテナンス

インプラントオーバーデンチャーは、メンテナンスが簡単である点も大きな特徴です。通常の義歯は毎日の取り外しと洗浄が必要で、清掃が手間になることがありますが、インプラントオーバーデンチャーは、インプラント自体がしっかりと固定されているため、日常的な手入れが非常に簡単です。義歯は取り外して清掃することができますが、インプラント部分は通常の歯と同様にブラッシングを行うだけで十分です。このため、衛生面でも優れた利点があります。

しっかりとした経済的価値

初期費用はかかるものの、インプラントオーバーデンチャーは長期的に見ると非常にコストパフォーマンスが良い治療法です。従来の義歯と比べて耐久性が高く、安定して機能するため、修理や交換の頻度が低く、長期間にわたって使用することができます。また、インプラントオーバーデンチャーは、定期的なメンテナンスとチェックを行うことで、長期的に良好な状態を保つことができます。これにより、結果的には長期間快適に使用できるため、経済的な価値も高いといえます。

FLOW

インプラントオーバーデンチャーの治療の流れ

インプラントオーバーデンチャーの治療は、以下のステップで行います。

STEP
初回診察と検査

最初に、歯科医院で口腔内の検査を行います。顎の骨の状態を確認し、インプラントを埋め込むための適切な場所を決定します。

STEP
治療計画の立案

レントゲンやCTスキャンを用いて、詳細な治療計画を立てます。必要に応じて、骨移植などの前処置が行われることもあります。

STEP
インプラントの埋め込み

インプラントを顎の骨に埋め込む手術を行います。この手術は局所麻酔で行われ、通常は入院の必要はありません。インプラントが骨と結びつくまで数ヶ月の治癒期間が必要です。

STEP
オーバーデンチャーの作成

インプラントが安定した後、オーバーデンチャーの型取りを行います。患者様一人ひとりに合った義歯を作成し、インプラントにぴったりと固定できるように設計します。

STEP
義歯の装着と調整

作成したオーバーデンチャーをインプラントに取り付け、調整を行います。最適なフィット感を提供できるよう、細かな調整を施します。

STEP
アフターケア

治療後も定期的に歯科医師によるチェックを受けることが重要です。インプラントの状態や義歯の調整を行い、長期間にわたって快適に使用できるようサポートします。

Recommendation

こんな方におすすめ

インプラントオーバーデンチャーは、すべての患者様に適用できるわけではありませんが、以下のような状況にある方には特に効果的な治療法です。ご自身がインプラントオーバーデンチャーに適しているかどうか、歯科医師と相談の上、最適な治療法を選ぶことが重要です。

従来の義歯に不安定さを感じている方

従来の入れ歯を使用しているが、食事中や会話中に義歯が外れたり動いたりすることに不便を感じている方におすすめです。インプラントオーバーデンチャーでは、インプラントによって義歯がしっかりと固定されるため、これらの問題を解消できます。義歯の安定性が向上し、食事や会話がスムーズになります。

義歯の違和感を感じている方

入れ歯の違和感や不快感が強い方にも、インプラントオーバーデンチャーは有効です。インプラントが顎の骨にしっかりと結びつくことで、義歯が安定し、違和感が大幅に軽減されます。従来の義歯のように、歯茎との摩擦や義歯のズレを気にせずに日常生活を送ることができます。

見た目を重視する方

インプラントオーバーデンチャーは、見た目にも自然で美しい仕上がりになります。インプラントが顎の骨に埋め込まれることで、義歯が安定して固定され、口元の美しさが保たれます。義歯が浮いたり、目立ったりすることが少ないため、自信を持って笑顔を見せることができ、見た目に対する不安を軽減します。

顎の骨が健康で、インプラントが埋め込める状態の方

インプラントオーバーデンチャーを行うためには、一定量の顎の骨が必要です。インプラントを埋め込むために十分な骨量があるか、骨の状態が良好であることが条件となります。もし、骨量が不足している場合でも、骨を増やす手術(骨移植など)を行うことで、治療が可能な場合があります。歯科医師が骨の状態をチェックし、適切な治療法を提案します。

自分の歯がほとんどない、または全くない方

完全に歯を失ってしまった方にもインプラントオーバーデンチャーは非常に効果的です。すでに全ての歯を失っている場合、通常の入れ歯では安定感や咀嚼機能に制限があるため、インプラントオーバーデンチャーを選ぶことで、食事や会話の質が大きく改善されます。

食事の際に噛む力が不足している方

従来の義歯では、噛む力が十分に伝わらないことがありますが、インプラントオーバーデンチャーは、顎の骨に埋め込まれたインプラントを通じて強い噛む力をサポートします。これにより、硬い食べ物や粘り気のある食べ物でも問題なく食べることができ、食事を楽しむことができます。

健康状態が良好で、インプラント手術を受けることができる方

インプラントオーバーデンチャーを行うためには、インプラントの埋め込み手術を受ける必要があります。そのため、全身的な健康状態が良好で、手術に耐えられる方が適しています。糖尿病や心臓疾患などがある場合でも、十分に管理されていればインプラント治療が可能なこともありますので、事前に医師と相談し、手術のリスクを確認することが重要です。

長期的に安定した治療を希望する方

インプラントオーバーデンチャーは、安定性が高く、長期的に使用できる治療法です。短期間の改善だけでなく、長期間にわたって安定した口腔内の健康を維持したい方にとって非常に適しています。定期的なメンテナンスとケアを行えば、長く快適に使用できるため、長期的な治療効果を期待できます。

Price

治療の費用について

インプラントオーバーデンチャーは、従来の義歯に比べて安定性や快適さを大幅に向上させる治療法ですが、その分、治療にかかる費用も従来の義歯より高くなる場合があります。以下では、インプラントオーバーデンチャー治療に関する一般的な費用についてご説明します。

インプラントオーバーデンチャー治療の費用構成

  • インプラントの費用
    インプラント(人工歯根)を顎の骨に埋め込む手術の費用です。1本あたり約※※万円〜※※万円程度で、通常2〜4本を使用します。
  • オーバーデンチャー(義歯)の費用
    インプラントに取り付ける義歯の費用です。素材や種類によって異なりますが、約※※万円〜※※万円程度が一般的です。
  • 手術費用・麻酔費用
    インプラントを埋め込む手術や麻酔の費用です。手術費用は約※※万円〜※※万円、麻酔費用は※※万円〜※※万円程度です。
  • 骨移植が必要な場合の費用
    顎の骨が不足している場合、骨を増やす手術が必要になることがあります。これには追加費用がかかり、約※※万円〜※※万円程度です。
  • 定期メンテナンス費用
    インプラントや義歯を長持ちさせるために、定期的なチェックとメンテナンスが必要です。メンテナンス費用は約※※万円〜※※万円程度です。

保険適用について

インプラントオーバーデンチャー治療は、基本的に健康保険の適用外です。したがって、全額自己負担となります。ただし、特定の条件下で保険が適用される場合もあるため、当院の医師と相談し、保険適用の可能性を確認することをおすすめします。

また、インプラントオーバーデンチャー治療が必要な理由(例えば、骨の状態の改善や健康状態に基づく治療の必要性)によっては、一部保険適用が認められるケースもありますので、事前に詳しく確認することが重要です


インプラントオーバーデンチャーの注意点・リスク

インプラントオーバーデンチャーは、インプラントと義歯を組み合わせた治療法で、しっかりとした固定感が得られる一方で、いくつかの注意点やリスクがあります。

手術後には、感染症や出血、腫れが生じることがあり、これらには適切な治療が必要です。また、インプラントが骨にしっかりと結合しない場合、再手術が求められることがあります。義歯が合わない、または噛み合わせに不安定さを感じることがあり、定期的な調整が必要となります。治療を受ける前に、リスクを十分にご理解いただき、担当医としっかりとご相談ください。