救急キットについて

First aid kit

救急キットについて

歯科医院で備えておくべき救急キットは、診療中に発生する可能性のある様々な緊急事態に対応するためのものです。歯科治療中に起こりうる、出血、アレルギー反応、気道閉塞など、患者様の生命に関わる事態に迅速に対応するために、必要な医薬品や医療器具を揃えておく必要があります。

歯科医院向け救急キットに含まれるもの
  • 鎮痛剤: 歯痛や手術後の痛みを緩和する
  • 抗ヒスタミン剤: アレルギー反応を抑える
  • ステロイド剤: 炎症を抑える
  • 気管支拡張剤: 喘息発作時などに使用
  • エピペン: アナフィラキシーショック時に使用
  • 硝酸薬(ニトロ): 狭心症発作時の治療薬
    など

Emergency response

緊急時の対応について

歯科医院において、患者様の安全確保は最優先事項です。診療中に突発的な事態が発生する可能性を考慮し、万全の体制を整えることが求められます。特に、アナフィラキシーショック狭心症といった重篤な症状は、迅速な対応が生死を分けることがあります。

アナフィラキシーショックとは?

アナフィラキシーショックは、特定の物質(アレルゲン)に対して体が過剰に反応し、全身に症状が現れる状態です。歯科治療においては、局所麻酔薬や抗生物質などがアレルゲンとなることがあります。

主な症状

・呼吸困難
・血圧低下
・蕁麻疹
・意識消失

アナフィラキシーショック時の対応と救急キット

アナフィラキシーショックが発生した場合、迅速な対応が生命を左右します。

STEP
患者様の状態を把握する

意識レベル、呼吸、脈拍などを確認し、重症度を評価します。

STEP
アレルゲンの除去

可能であれば、アレルゲンとなる物質を患者から遠ざけます。

STEP
気道確保

舌根部の落ち込みや分泌物の吸引などにより、気道を確保します。

STEP
エピペンの投与

エピペンは、アナフィラキシーショックの治療薬であり、筋肉内に注射することで、血圧を上昇させ、気道を確保する効果があります。

STEP
救急隊への連絡

状況を説明し、救急隊の到着を待ちます。

狭心症とは?

狭心症は、心臓への血液供給が不足することで起こる胸痛や圧迫感のことです。歯科治療中のストレスや体位の変化が、狭心症の発作を誘発することがあります。

主な症状

・胸の圧迫感や締め付け感
・息切れ
・左肩や腕、顎への痛み
・吐き気

狭心症発作時の対応と救急キット

狭心症の発作が発生した場合、迅速な対応が重要です。

STEP
患者様の状態を把握する

意識レベル、呼吸、脈拍などを確認し、重症度を評価します。

STEP
安静を確保

患者を楽な姿勢にし、安静を保ちます。

STEP
硝酸薬の投与

硝酸薬(ニトロ)は、血管を拡張させ、心臓への血流を改善する効果があります。医師の指示のもと、舌下錠を投与します。

STEP
救急隊への連絡

状況を説明し、救急隊の到着を待ちます。

当院では患者様の安心・安全を第一に考えています

当院では、患者様の安全を最優先に考え、救急キットの管理を徹底しております。定期的にキット内の薬品や医療器具の有効期限を確認し、不足しているものは速やかに補充しております。

また、スタッフに対しては、救急キットの使い方だけでなく、患者様の状態を観察し、適切な応急処置を行うための教育を定期的に実施しております。